40人に1人の確率『過剰歯』とは?長男の診断のきっかけと手術レポ【歯画像有】

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我が家の長男5歳が昨年の暮れに”過剰歯”との診断を受けました。
その後は大学病院で詳細の検査を受け、即手術が決定
長男の場合はその兆候がすでに1歳児の頃に見られました。

永久歯の歯並びにも影響を及ぼす事もある過剰歯について、
小さなお子さんを持つママたちには、お子さんの歯の異変に気付いた時にすぐに対処できるように、
ぜひ知っていて欲しい内容です

また、すでに”過剰歯”の診断を受けて今後の治療に不安を持っている方のお役に立てればと、
今回の我が家の長男の診断から手術までの記録もまとめました

診断のきっかけ

1歳の時に現れた兆候

歯の生え始めの頃は2本の前歯が揃って綺麗に並んでいたのですが、
1歳を過ぎたあたりから少しずつ前後にずれ始めました

長男はおっぱいが大好きで、1歳3か月で断乳をするまで沿い乳をする事が多かったので、
そのせいで歯並びが悪くなってしまったのでは、と罪悪感のようなものもありつつ。。。

2歳のフッ素塗布時に歯医者さんに相談してみると、『乳歯が生え変わる前のタイミングで受診すれば大丈夫ですよ』との事で、

にこ
にこ

乳歯だし、まぁ大丈夫かな。

ぐらいの気持ちで過ごしていました。

2歳過ぎの写真。前歯が前後にずれています。

5歳5か月で歯科受診

歯の生え変わりは早い子だと年長さんぐらいで歯が抜けている子を見かけるので、
年長に進級する前にはと思い5歳5か月頃に歯科を受診して歯並びの相談をしました。

すぐにレントゲンを撮ってもらうと先生がなにやら深刻そうな口調で、
『いまから大事なお話をするので、良く聞いていて下さいね』と。

レントゲンを見せながら、前歯の歯と歯の間を指さし”過剰歯(かじょうし)”があることを告げられました。

その影響で前歯がこのようにずれてしまっていたのです。

過剰歯とは?

過剰歯とはその名の通り、簡単に言うと通常よりも歯が多い状態です。
原因は不明とされていますが、
通常は上顎(うわあご)に過剰歯(1~2本)が出現することが多いので、
『上顎正中過剰埋伏歯』とも呼ばれています。

ちなみに過剰歯が出現する確率は約40人に1人の割合らしいです。

にこ
にこ

結構多いですよね。身近な知り合いの中にも兄弟の子どもがそうだった~とか、過剰歯の言葉を知っている人が数人いて驚きました!

順性と逆性

また過剰歯には順性と逆性とがあり、
”順性”は通常生えてくる向き、”逆性”は通常生えてくる向きとは逆の方向、
つまり上顎の場合には天井の方向に向かって歯が生えてしまってる状態なんですよね。

そして順正の場合には自然に生えてきたものを抜けばよいのですが、
逆性の場合、生えてくることはないので大学病院の口腔外科での対応になるとの事。

そして、うちの長男は逆性でした~~~( ;∀;)涙
ひき強すぎない??

にこ
にこ

あるはずのない歯が1本多く存在している事を知り、しかも逆向きに生えてるとか、頭の中はプチパニックでした。

手術の必要性は?

通常は過剰歯のせいで前歯の生え替わりがうまくいかずに、
永久歯の生える時期が遅れたり、歯並びの異常(前歯に隙間が出来るなど)が現れるそうです。

一般的には歯の生え替わりの時期に過剰歯が発見される事が多いらしく、
学童期に抜歯する子が殆どみたいです。
(春休みや夏休みなどの長期休暇は過剰歯の抜歯手術が増えるとの事。)
早いと4歳ぐらいで手術する子もいると聞きました。

そして中には発見されないまま成人になる人もいたり、稀ですが徐々に鼻の方に移動してしま方もいるそうな・・。怖すぎます。

大学病院受診

紹介状を持ってさっそく大学病院の口腔外科を受診しました。
診断をしてくれた歯医者では、
抜歯の時期を相談してくださいね。おそらく歯の生え替わりのタイミングに合わせると思います。
と聞いていたので、まだまだ先の事だろうなと思っていたのですが・・・。

手術決定

レントゲン写真をみた担当医から発された言葉は、

『全身麻酔での手術が必要になります。すぐに日程決めましょう。』

ぜ、全身麻酔だと~( ;∀;)しかも2泊も入院だと~?

即日でこんなに大掛かりな事になるとは思ってもいませんでした。

手術が決定したので術前検査が必要になり、
この日のうちにCT撮影・胸部レントゲン・採血の検査も行いました。

部分麻酔か全身麻酔かの選択

元々過剰歯の診断を受けた日に焦ってネットで色々と調べて見たところ、
部分麻酔での処置か全身麻酔かを自分で選択している方もいたんですよね。

なので私も、長男にはどっちの方が良いんだろう。と漠然と考えていました。
全身麻酔はリスクが高くて怖い。
だけど意識がある状態での抜歯は怖がりな長男には精神的負担が大きすぎないか。

しかし、長男のケースでは主治医から言われたのは全身麻酔の1択でした。

過剰歯で手術が決まった場合に親御さんが特に気がかりな事の一つは、
やはりこの麻酔の問題ではないかなと思いますので詳細のやり取りを書きたいと思います。

その時の主治医とのやり取り・・

にこ
にこ

部分麻酔じゃなくて全身麻酔になったのは年齢的に怖がるからですか?

主治医
主治医

そうですね。部分麻酔はまず無理でしょうね。口をあけっぱなしの状態で上顎の歯茎をめくり、骨も削らないといけないので大人でも辛い内容です。

にこ
にこ

過剰歯で部分麻酔でできる手術もあるけど今回は位置的にも難しいってことですか?

主治医
主治医

歯が見えているお子さんは部分麻酔で取ることが殆どです。ただ怖がりで麻酔もさせてくれないような場合には全身麻酔になる事もあります。申し訳ないけど長男君の場合は上を向いてしまっているし比較的取るのが難しいパターンですね。

全身麻酔の説明

大学病院初受診の日の後日に、麻酔科の担当医師からの説明があるとの事で長男同伴で再び来院しました。
そこでの内容は、

●点滴の薬での麻酔を行うが、注射を嫌がりラインを取れなければ口からの麻酔になるかもしれない。
(口からの麻酔は匂いがきついので嫌がる子どもにはやむを得ず押し付ける形で麻酔をかがせることもある)

●喉から呼吸用の管を挿管し、自発呼吸はストップさせる。
術後は自発呼吸が再開しているのを確認する為、一時的に管を入れた状態で起こす事になる。

●麻酔から覚めた後にパニックで暴れだす子がいる。
麻酔後で首がしっかりしていないので、その時は後ろから支える様にして欲しい。

歯茎にメスを入れる事よりも、
親心としては”自発呼吸を一時的でも止めてしまう”という所に大きな不安を覚えました

しかし、麻酔に対するよくある疑問で目がそのまま覚めないリスクが高いんじゃないか?
というような事はまずないとの説明も受け少しは安心することができました。

入院から手術の記録

入院は2泊3日
日曜のお昼前に病室に入り、

1日目は絶飲食の時間の管理があるぐらいで通常通り自由に過ごせる
2日目は朝一で手術
3日目の朝食後に退院

という流れです。

【食事制限】
★食事・牛乳・ジュースは前日21時まで可
★お茶・お水は当日朝6時まで可
(直前に看護婦さんが声をかけてくれましたが、長男爆睡していたので結局飲めませんでした。)

手術当日

朝食後に麻酔用のラインを取るための、試練の注射に。
だいぶ怖がってはいましたが暴れたり叫んだりすることなく耐えました。

9時過ぎに手術室へ移動。


母は入口で見守り病室で待機。

10時前に手術終了の連絡が入り、主治医から手術の報告。
問題なく無事に終わって一安心。

 


抜いた過剰歯は思ったより小さくて細長かったです。
頑張った証として大切にお家で保管します(笑)

術後の様子

担当の看護師さんに術後の様子はどんな感じかあらかじめ聞いていた所、
麻酔の影響でぼーっとしていて、そのまま暫くは寝てしまう子が多いですよとの事だったのですが・・・

我が家の長男の場合はパニックで大暴れの方のでした( ;∀;)
これは全身麻酔から醒める際に起こる「覚醒時興奮」というものらしいです。
子どもや手術前の不安が強い場合に覚醒時興奮を起こしやすいみたいです。

10時半ごろベッドの上で大泣きしながら病室に戻り、
酸素濃度や心電図、血圧計などたくさんのコードを付けられるとさらに怒り狂い、

とにかく暴れるので点滴やコードが外れないように後ろから必死にホールド。

にこ
にこ

まさに地獄絵図でした。見ているこっちまで涙出そうに・・。
代われるものなら代わってあげたい。。。

その後も絶飲食の影響でお腹がすいていたこともありしばらく大絶叫が続くのでした。
(部屋が一番奥のやたら果てだった事に納得)

12時半までは絶飲食を言い渡されたものの、母の心も折れ12時で限界がきて30分繰り上げで食事の許可を貰いました。

お腹の音を確認して貰い、立ち上がった時の数値確認もOKとの事。

食事は?

ようやく飲食の許可がでたので、
まずはリンゴジュースを2杯飲干し、

みかんゼリーを凄い速さで完食。

プリンを食べ始めたところでお腹が痛くなり、

横になっていて、そのままお昼寝タイムに突入となりました。

そも後もお昼寝明けにプリン・バナナを食べ、

15時のおやつは菓子パン。

夕ご飯も問題なく完食。

にこ
にこ

まぁ、良く食べるよね(笑)

術後の食事は痛みや違和感が出るんじゃないかと心配していましたが、
薬を飲んでいたおかげなのか痛みが出る事もなく、
普通に食事が出来ていて安心しました。

退院後

入院から3日目の10時ごろに無事に退院となりました。

退院後の様子

術後すぐは若干両頬がむくんでいるような腫れが見られましたがすぐに落ち着きました。

食事もほぼ通常と変わりなく食べる事が出来ました。

体調や機嫌も良好でした。

保育園はいつから行けるの?

保育園や学校には大抵退院した翌日から通う子が多いそうですが、
念のため翌日は1日私の仕事の休みを取っていたので、保育園を休ませて家でゆっくり過ごしました。

抜糸について

縫合には溶ける糸を使用していたので抜糸の必要はなかったのですが、
気になるようならかかりつけの歯医者で抜糸して貰うようにとの事でした。

長男の場合、写真の通り前歯の目立つ位置に糸の結び目が出ている状態で、
歯磨きをする時に軽く当たっただけでも流血しやすかったこともあり、
術後20日ほどで抜糸して貰いました。

長男は痛くないかな?と緊張の表情でしたが、
まったく痛みもなくするりと簡単に抜けて5分で終了しました。

溶ける糸といっても種類にもよるが吸収までは3、4か月もかかるらしくて、
それならもっと早くに抜いてもらえば良かったなと思いました。

ちなみに過剰歯を抜いた後は空洞になっている状態なので、
そこに周りからの血が溜まってそれが固まって骨化していくらしいです。

まとめ

5歳で過剰歯の抜歯手術を受ける事となった長男。
手術自体よりも”全身麻酔”やそれに伴う”絶飲食”のハードルが想像以上に厳しかったなという印象でした。

今回の記事を通して聞きなれない過剰歯の存在を知ってもらい、
もしそのような異変を感じた時には、永久歯の生え替わりや歯並びに影響が出る前に素早い対応をしてもらえると良いなと思います。

 

 

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